今月のこの一枚(2003.06.01)

肺癌の骨転移疑い(症例:74歳男性)

右大腿部のMR T1強調像冠状断です。右大腿骨骨幹ほぼ中央部の骨髄内に腫瘤性病変があります。周囲の脂肪髄が高信号を示し、低信号として明瞭なコントラストを示します。皮質にもわずかに浸潤していると思われます。 一般的に骨転移は骨髄に初発し、皮質の変化はより進行した段階に見られます。X線写真では30-50%の脱石灰化がなければ異常としてとらえられません。骨シンチは骨代謝亢進部を陽性像として描出するため、X線写真よりも早期に検出可能とされています。MRは骨髄を直接描出可能であり、さらにより早期、より微小な段階での検出が可能です。近年では全身をMRで撮像するwhole-body MRが骨シンチと比較検討され、良好な結果が報告されています。これまでは骨シンチ施行後の精検として、病変が疑われる比較的狭い範囲に対してMRが使用されることが多かったのですが、今後は全身のスクリーニングとしても活用されると考えます。