今月のこの一枚(2004.10.1)

副腎皮質腺腫のMR


腹部超音波検査、CTで右副腎腫瘤を指摘され、MRで精査となった患者様です。 CTでは人口の0.6-1.5%に副腎腫瘤がみつかります。このような偶発的に発見される腫瘤、すなわちincidentalomaの大部分を占めるのは非機能性腺腫です。高齢者、糖尿病や高血圧の患者で頻度が高く、担癌患者でさえ転移性腫瘍との鑑別は問題となるものの頻度的には腺腫である可能性がより高いとされています。副腎皮質腺腫は脂肪を含むためCTでは低吸収に描出されます。MRではT2WIでの低信号、dynamic studyでの早いwash outなどが腺腫の所見として重視されていましたが、現在はchemical shift imagingが有用とされています。これは水と脂肪のプロトンが異なった周波数で共鳴するため、信号が増強しあう相(in-phase)と打ち消しあう相(out-of-phase)が生じ、その相での画像を得るものです。
写真ではin-phaseと比較してout-of-phaseでの均一な信号低下が明瞭であり、脂肪を含むものと判断できます。この場合、腺腫である可能性が非常に高いと考えられます。


副腎皮質腺腫out-of-phase

副腎皮質腺腫 in-phase