改修工事について

工事の概要

 当施設で前年度末より進めておりました「省エネルギー改修工事」が完了し、12月7日に引渡し式が行われて本格運用となりました。これは、開設以来20年経過し、経年劣化した設備の修繕費や油類の高騰による燃料費の増大、また政策として強力に推進されていたCO2削減に対応するため、大幅な改修工事を計画し実現いたしました。
改修した主な内容は、下記の 4点です。
(1) 空調設備の蓄熱式化
(2) 給湯設備のエコキュート化
(3) 断熱の強化
(4) 照明設備のLED化

(1):空調を従来の油類を使用する方式から、大量の水を利用した電気による蓄熱方式に大きく方向転換しました。これは「大温度差蓄熱空調システム」と称され、温まりにくく冷めにくいという水の特性と、熱対流の上は熱く下は冷たいという温度差を利用した冷暖房の方式であり、夜間の安価な電力を利用して翌日の昼間に使用する熱エネルギーを蓄えておくことができるというものです。さらに地下タンクにある150トンの水は災害時に消火用または生活用水に利用可能となります。

(2):エコキュートは新聞やTVなどでも取り上げられ、また既に一般家庭にも普及してきています。正式には「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」と言い、油の燃焼が無いため直接二酸化炭素を排出しないのと、冷媒にフロンを使用していないため環境に優しい設備となっています。また、こちらも夜間電力を使用するため施設全体としては一日の使用電力量を平準化することができ、今夏のような昼間のピーク電力削減には大きな成果が期待できます。

(3):施設の窓は開口部が大きく暖気や冷気の格好の逃げ場となっています。その窓ガラスをより断熱性に優れたLow-Eペアガラスに交換しました。これはペアガラスの内側に特殊金属をコーティングした遮熱(夏の日射熱を防ぐ)と断熱の両方の性能が高いガラスです。また、合わせて 1階浴室の脱衣室に断熱材の強化を行い、夏と冬の入浴の環境改善を行いました。窓や壁からの熱エネルギーのロスを抑えて冷暖房効率をアップした建屋に、夜間電力で蓄熱した間接的な柔らかな暖気・冷気とお湯を昼に使用するという、体と環境に優しい空調を実現できました。

(4):さらなるエコと節電対策のため、共有部分を中心に省エネで長寿命のLED式の照明に交換しました。

このシステムを導入した要因の一つに遠隔監視システムによる24時間・365日の監視サポートがあります。ほとんどのエラーについては桃花林の職員の手を煩わすことなく復旧することができます。
そのような利便性も職員がきちんと認識することが大切です。説明会を開催し、ほとんどの職員が直接説明を聞き、情報の共有を図りました。

3月11日の大震災以降、節電や環境への配慮に加えて非常時にも対応できるような設備が求められています。震災当時の当施設は停電こそ無かったもののしばらくの間水と油が不足し、施設運営に少なからぬ支障が出てしまいました。
このような中でも先に導入していた岩手県のある施設は、大きな被災地にも関わらず電気が復旧してすぐに温かいお風呂などを施設利用者のみならず近くに避難された方々にも提供できたそうです。
当施設も平常時には省エネ・エコを、非常時には電気の早期復旧が前提となりますが、速やかな冷暖房やお湯の供給再開ができるように、最悪の場合でもタンクにある大量の水の流用などを行えるようになど、常に両方を意識した運用を行っていきたいと思います。
本格稼働後3週間になりますが、施設内(特に 1階)に鳴り響いたボイラーの音がないことで静かに時が流れています。
これから先も設備だけでなく働いている職員も優しく穏やかな気持ちを持ち合わせ、最良の介護サービスの提供を心がけていきたいと思います。

「改修工事概要」