花粉症

毎年、決まった季節になると目がムズムズ、赤くなり、鼻水、くしゃみが止まらなくなる‥。こんな症状にお悩みの方は少なくないのではないでしょうか。あるいは、あなたの周りにもこういった症状の方は、ひとりやふたりはいらっしゃるはずです。このような症状がでたら花粉症が疑われます。
花粉症とは、スギ花粉などある特定の花粉が眼に入ったり、鼻から吸い込まれたりすることによって起こるアレルギー症状のことをいいます。今回は、日本人の約15%の人が悩まされているこの「花粉症」について、原因・対策などを中心にご説明しましょう。

 花粉症のメカニズム 

スギなどの花粉が鼻の中に吸い込まれるとアレルギーを起こす物質である抗原(アレルゲンといいます)が花粉から溶け出します。このアレルゲンに何年も接触していると、ある特定の人(アレルギーの素因を持つ人)では、体内に「抗体」という特殊なたんぱく質が産生されます。抗体は、肥満細胞という細胞に乗って、アレルゲンが体内に侵入すると出撃し、攻撃します。この抗体とアレルゲンは鍵と鍵穴の関係に似ており、ある特定のもの同志だけが結合することができるのです。このときに肥満細胞から炎症を引き起こす物質(ヒスタミンとよばれるものなど)が放出され、これが目に作用すると、かゆみが起こり、涙をだしてアレルゲンを洗い流そうとします。同様に、鼻の粘膜に作用すると、くしゃみが起こり、鼻水がでて、アレルゲンを体の外へ追い出そうとします。鼻の血管は刺激を受けて、鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりがおこり、花粉を含んだ空気が体に中に入りにくくするのです。こうした反応をアレルギー反応といい、アレルギー反応は本来、異物が体に入るのを防ぐ、人間の体に備わった防衛システムなのです。
 この体の防御システムには個人差があり、そのため、花粉に接触しても何の反応もない人もいますし、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどで苦しむ人もいるというわけです。

 原因 

花粉症の原因となる植物はさまざまで、その季節によって異なります。代表的なものは、スギ花粉症です。季節による花粉症の原因植物は以下のとおりです。
春:スギ(2月上旬〜4月)、ハンノキ(2月〜4月)、ヒノキ(3月中旬〜5月中旬)、シラカンバ(4月〜5月)
初夏:スズメノテッポウ(3月〜6月)、カモガヤ(5月〜7月)、ホソムギ(5月〜7月)、ハルガヤ(5月〜8月)、オオアワガエリ(5月〜9月)

秋:ブタクサ(8月〜11月)、ヨモギ(9月〜11月)、カナムグラ(9月〜10月上旬)
こうした原因植物の花粉の飛散時期を知っておくことは、早めの予防対策を講じる上で大いに役立ちます。

 症状 

主に目と鼻に症状が現れます。しかし、花粉症は全身病ですので、この他にも、皮膚のかゆみ、のどのかゆみ、咳、頭痛、腹痛、便秘、下痢といった症状を認めることもあり、さらに、全身の疲れやすさ、熱っぽい感じ、寒気などを感じることもあります。
目の症状:最も多いのは目のかゆみ。その他、充血、涙が出る、目やにがでる、目がごろごろするといった症状が認められます。 鼻の症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまりが花粉症の3大症状です。これらの症状は、目の症状と同時に起こることが少なくありません

 対策 

できるだけ花粉に接触しないことが基本になります。

(1) 晴れていて風の強い日は外出を控える。:花粉は晴れていて風の強い日によく飛びます。このような日の外出はなるべく控えたほうが賢明です。しかし、日常生活ではそうもいっていられないことがよくあります。ご自分がアレルギーのある花粉が飛散している季節での外出時には、花粉症用のマスク、メガネなどを使用するとよいでしょう。
(2) 室内への花粉の侵入を防ぐ。:花粉が室内へ入るのを防ぐために、掃除、換気のとき以外には窓を開け放しにないようにしましょう。また、外出先から帰宅したときには玄関先などで髪の毛、衣服についた花粉をよく払ってから家の中に入るようにしてください。布団、洗濯物を取り込むときにも花粉を十分に払ってから取り込んでください。
(3) 部屋の中はいつも清潔にする。:部屋の中は常に清潔(整理整頓)にし、こまめに掃除をしましょう。電気掃除機を使用する場合には、窓を開けて排気口を室外に向けて、室内に埃が舞わないようにします。花粉によるアレルギーで、鼻粘膜や目が過敏になっていますので、花粉だけでなく埃やハウスダストでも症状がでてしまうこともあります。
(4) 可能であれば原因植物を除去する。:花粉症の原因となる雑草(カモガヤ、ブタクサなど)が身近にあるときには、可能であれば除草するのもひとつの手です。
(5) ストレスを避け、十分な睡眠をとりましょう。:過労、精神的ストレスはアレルギー症状を悪化させます。規則正しい生活を心がけましょう。また、お酒、タバコも控えてください。
(6) かかりつけ医に相談し、適切な治療、助言を受ける。:花粉症の治療には、①内服薬(最近では、眠気の少ないお薬が主流です)、②アレルギーの起こる場所である鼻の粘膜の一部を手術で焼いてしまう方法、③アレルゲンである花粉のエキスを定期的に注射することでアレルゲンである花粉に対する体の反応(くしゃみ、鼻水、目のかゆみなど)がでないようにする治療(減感作療法)などがあります。

詳細は、保原中央クリニック内科へご相談下さい