今月のこの一枚(2005.11.01)

腫瘍栓を伴う腎細胞癌

血尿が主訴の患者様です。USで腎細胞癌を疑われており、CTによる精査目的で紹介されました。左腎の正常組織のほとんどを置換する巨大な腫瘍があります。不均一ながら強い造影増強効果を受ける多血性腫瘍です。腎静脈内から下大静脈、さらに右房内にも連続しています(矢印)。腫瘍栓を伴う腎細胞癌と診断しました。また脊椎への骨転移も認めます(矢頭)。腎細胞癌は腫瘍栓を来たす悪性腫瘍として肝細胞癌とともに有名であり、約20%の患者に腫瘍栓が見られるとされています。腎静脈内に進展するとTNM分類ではT3以上であり、本例では横隔膜を越えるためT3c以上となります。転移も来たしやすく、肺、リンパ節、肝、骨などが主な対象臓器です。骨転移は純粋な溶骨性変化を来たす場合があり、この場合は骨シンチでは高集積ではなく集積欠損となるため診断の際に注意が必要です。その場合は腫瘤を直接描出するためにCTあるいはMRが有用です。


CT coronal image



CT axial image