今月のこの一枚(2006.01.01)

Azygos continuation of the IVC

 右肺門部の異常を疑われてCTを施行した患者様(63歳女性)です。肝部下大静脈を認めず、奇静脈、半奇静脈が強く拡張しています(矢頭)。azygos archの拡張も強く(矢印)、これを右肺門部の異常として指摘されていたと考えられます。azygos continuation of the IVCの所見です。Azygos continuation of the IVCとは、肝部下大静脈の欠損する先天奇形で、下半身の静脈血は奇静脈系を介して心臓に還流します。胸部正面像では奇静脈陰影が拡大し、側面像では下大静脈の陰影が不明瞭となります。奇静脈系の拡張を腫大リンパ節などの腫瘤性病変と診断しないことが重要です。重症先天性心疾患と多脾症候群に主に合併すると以前は考えられていましたが、近年は画像診断の発達により無症状例も多く発見される様になり発生頻度は0.6%との報告もあります。手術、中心静脈カテーテル留置の際などに知っておくべき奇形です。