北福島医療センター

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地震災害をのりこえて

はじめに

 2021年(令和3年)2月13日、福島県沖を震源として発生したマグニチュード7.3の地震により福島県で最大震度6強を観測しました。当院は耐震構造でありましたが、その地震の影響によりMRI装置や核医学検査装置をはじめとした医療機器が破損し、建物にも大きな被害を受けました。その再編中の2022年3月16日、福島県沖でマグニチュード7.4の地震が発生し、震度6の揺れが再び当院を襲いました。病院内の配管の破損により病棟が水浸しの被害となり、4Fフロアの病棟が半年間使用できなくなりました。

3度の震災被害から学んだこと

 当院は2011年の東日本大震災を含め、3度の震度6以上の地震を経験してきました。東日本大震災は発生当時、「千年に一度の災害」と言われていました。そのため、その後の災害に備えた準備はしてこなかったのです。2021年2月の震災では、十分な医療提供をするまでに多くの問題が発生しました。病院には「防災マニュアル」が存在していましたが、火災を想定したものであり、地震災害を想定したマニュアルがなかったため、混乱の原因となりました。2021年の地震の後、BCP(事業継続計画)の策定の必要性を感じていましたが、1年もの間、策定班が作られることもなく、2022年に再び被災しました。日本は災害大国であり、いつ起こるかわからない大きな災害を受け止める覚悟と準備が必要です。それが、地域医療を担う病院の役割であると考えます。

災害BCPの策定

 2022年5月、当院は災害BCP班を設立しました。これは、当院が過去2年連続で災害に見舞われた経験を踏まえて作成されたBCPであり、この病院独自の対応するものとなっています。BCPには、通信手段の確保、行政や他の医療機関との協力、ストレス対策、現状の課題などが含まれています。2022年月末には、「北福島医療センター災害BCP第1版」が完成しました。ただし、BCPができたからといって、災害時の問題が完全に解決するわけではありません。しかし、BCPを作成することで、準備や心構えが整えられるため、混乱を防ぐことができると信じています。また、来年には「水害対策」に向けたBCPも策定予定です。

そして新病院建設へ

 そこで、私たちは新病院の建設に向けた動きを始めました。新病院は病棟部分は免震構造を採用し、災害に強い医療施設となるように設計される予定です。さらに、地域の医療を担う病院として、地域住民のニーズに合わせた診療科目の拡充も検討しています。
 私たちは、3度の震災を経験したことから、災害に強い医療施設を目指すことを決意しました。災害BCPの策定や新病院の建設に向けた取り組みを行い、地域住民の健康と安全を守ることを使命としています。今後も、地域のニーズに合わせた医療の提供を続けるとともに、災害に強い医療施設として、地域社会に貢献していきたいと考えています。

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